2025年11月13日
2025年モデルナ調査、日本の新型コロナワクチン接種意向はアジアで依然最低水準
安全性への懸念や、費用負担による影響を示唆
モデルナ・ジャパン株式会社(本社:東京都港区)は、アジア5市場(日本、韓国、台湾、香港、シンガポール)を対象に実施した『2025年アジア5市場ワクチン意識調査』の結果を発表しました。
調査によると、『過去12ヵ月で新型コロナワクチンを接種した』と回答した割合は日本で11.9%とアジア5市場平均27.9%を大きく下回りました。日本での『新たな変異株に対応する新型コロナワクチンの接種意向』は29.5%で、アジア5市場平均45.4%に比べて15.9ポイント低く、アジア5市場で最も低い結果となりました。『インフルエンザワクチンとの同時接種について』は日本で11%とアジア5市場平均34%を大きく下回り、最も低い結果となりました。
接種をためらう主な理由として『副反応への懸念』が日本で32.7%とアジア5市場平均34.6%をやや下回りましたが大きな理由の一つとなりました。一方で、『コロナ後遺症への懸念』は日本で18.9%、アジア5市場平均15%を上回り、また『新型コロナウイルス感染症は依然として健康リスク』と考える日本人は『コロナ後遺症への懸念』と同様18.9%でアジア5市場平均16.8%をやや上回りました。
また今回の調査では、費用面が接種意向に一定の影響を与える傾向が見られ、費用負担が心理的ハードルの一因であることを示唆する結果となっています。今回の結果は、日本におけるワクチン接種行動の課題が『意欲の欠如』ではなく、安全性への信頼、医療者からの推奨、費用、制度の理解などに起因する構造的な『ためらい』であることを示しています。
一方で、『コロナ後遺症を避けたい』、『健康リスクを低減したい』といった科学的根拠に基づく動機が存在し、正確でわかりやすい情報提供や助成の在り方により行動変化の余地があることも明らかになりました。
主な調査結果
・ 2025/2026秋冬新型コロナワクチン接種意向:日本で 29.5%とアジア5市場平均 45.4%を約16ポイント下回り最低水準でした。
・ 同時接種(新型コロナワクチン+インフルエンザワクチン):『同時接種したい』は日本で11.0%、アジア5市場平均 34.0%を大きく下回り、約70%が『同時接種を希望しない』と回答しました。接種をためらう主な理由は『副反応への懸念』が32.7%、『費用負担』が19.2%でした。
・ 接種の主な動機:『コロナ後遺症後遺症を避けたい』が18.9%、『COVID-19は依然として健康リスク』18.9%といずれもアジア5市場平均を上回りました。
・ 医師からの推奨:『医師に接種を勧められた』と回答した割合は日本で20.3%とアジア5市場で最低水準でした。
新型コロナウイルス感染症は夏場と秋冬にかけ感染者が増加する傾向にあります1。また2024年における新型コロナウイルス感染症による年間死亡者数は35,865人で、インフルエンザによる年間死亡者数2,855人より多く、新型コロナウイルス感染症の疾病負荷は依然として大きい状況です2。特に「⾼齢者では新型コロナウイルス感染症の重症化リスクはインフルエンザと少なくとも同等かそれ以上であるため、インフルエンザと同様にワクチンによる予防が望まれます」と日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本ワクチン学会の3学会からも10月1日から始まる新型コロナワクチンの定期接種でのワクチン接種が強く推奨されています3。
調査概要
調査名:Moderna APAC Vaccination Survey 2025
実施期間:2025年7月15日~8月14日
対地域:日本、韓国、台湾、香港、シンガポール
対象者:18歳以上の男女5,026人(香港 n=1006、日本 n=1006、シンガポール n=1003、韓国 n=1007、台湾 n=1004)
方法:オンラインアンケート(現地言語対応、選択式質問)
実施機関:Dynata
分析対象:日本・韓国・台湾・香港・シンガポールの市場別比較。年齢層・性別は各国の人口構成を代表(±2ポイント以内)
調査結果
参考資料
1. 厚生労働省. 2025年11月7日 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について. p.4-5.
https://www.mhlw.go.jp/content/001591873.pdf(2025年11月10日確認)
2. 厚生労働省. 令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況. p.34-35.
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai24/dl/gaikyouR6.pdf(2025年11月10日確認)
3. 日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会. 2025年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解.
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/news/gakkai/gakkai_covid19_250902.pdf (2025年11月10日確認)
モデルナについて
モデルナは、mRNA医薬品分野における革新的リーダーです。mRNA技術の進展を通して、モデルナは医薬品の製造方法を根本から変え、疾患の治療と予防へのアプローチを変革し続けています。モデルナは10年以上にわたって科学、技術、健康分野の研究に取り組んでおり、前例のないスピードと効率性で医薬品を開発しています。新型コロナワクチンの開発はその代表例です。
モデルナのmRNAプラットフォームは、感染症、免疫腫瘍学、希少疾患、自己免疫疾患の治療薬やワクチンの開発を可能にしています。独自の企業文化と価値観、マインドセットを共有する世界の社員が力を合わせ、人々の健康に貢献するため、そしてmRNA医薬品を通じて、人々に最大限のインパクトをもたらすべく尽力しています。モデルナの詳細については、modernatx.comをご覧ください。また、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTube、LinkedInをフォローしてください。