2025年10月27日
モデルナ、開発中のサイトメガロウイルス(CMV)ワクチンの第3相臨床試験において、主要評価項目を達成しなかったことを発表
先天性CMVに対するmRNA-1647の開発を中止
骨髄移植患者を対象とした進行中の第2相試験でmRNA-1647の評価を継続
2025年の業績見通しおよび2028年の損益分岐点達成見込みへの影響は見込まず
この資料は、モデルナ(マサチューセッツ州ケンブリッジ)が2025年10月22日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳したもので、報道関係者の皆さまに参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.modernatx.comをご参照下さい。
【米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、2025年10月22日発】モデルナ(NASDAQ:MRNA)は本日、開発中のサイトメガロウイルス(CMV)ワクチン「mRNA-1647」の有効性を評価する第3相主要試験のトップラインデータを発表しました。本試験において、16歳から40歳までの妊娠可能年齢のCMV未感染女性におけるCMV感染予防という主要評価項目を達成できませんでした。モデルナは、先天性CMVに対する臨床開発プログラムを中止する予定です。
モデルナの最高経営責任者ステファン・バンセルは、「本日の発表は、先天性CMVを防ぐワクチンを長年待ち望んできたご家族や医療関係者にとって非常に残念な結果です。試験データの大部分はまだこれから得られる予定であり、私たちはその全結果を医学会と共有し、今回の学びがCMVワクチン開発の継続的な取り組みに繋がることを願っています。この研究を可能にしてくれた献身的なチーム、臨床試験実施施設のパートナー、そしてすべての参加者の皆さまに心から感謝します」と述べています。
第3相臨床試験(NCT05085366)は、無作為化観察者盲検プラセボ対照試験として実施されました。試験には、13ヵ国・約300施設から16~40歳の女性約7,500人が参加し、これまでで最大規模のCMVワクチン有効性評価試験でした。健康な女性における初感染予防に対するワクチン有効率は、症例定義により6%から23%の範囲であり、モデルナの設定した目標を大きく下回りました。
モデルナのプレジデントでスティーブン・ホーグ医師は「初感染の予防に失敗したことは非常に残念です。なぜなら、何十年にもわたる研究にもかかわらず、先天性CMVを防ぐワクチンがいまだ存在しないという現実があるからです。CMVは、骨髄移植を受ける患者などで潜伏ウイルスが再活性化するなど、他の状況でも重大な疾患を引き起こします。私たちは現在進行中の第2相臨床試験を通じて、こうした高リスク患者における再活性化関連疾患の抑制にmRNA-1647が役立つ可能性を引き続き探索していきます」と述べています。
mRNA-1647は、CMV感染の有無にかかわらず概ね良好に忍容され、これまでの試験と一貫した安全性プロファイルを示しました。データ・安全性監視委員会(DSMB)から安全性上の懸念は報告されていません。モデルナは、現在進行中の骨髄移植患者を対象とした第2相試験(NCT05683457)を継続する予定です。
モデルナは、今回の結果が2025年の業績見通しや、2028年の損益分岐点達成見込みに影響を与えることはないと予想しています。mRNA-1647については、市場形成や上市準備に向けた投資が必要であり、当初の収益貢献は最小限にとどまると見込まれていました。また、2028年時点ではキャッシュフローがマイナスとなることを想定していました。
モデルナについて
モデルナは、mRNA医薬品分野における革新的リーダーです。mRNA技術の進展を通して、モデルナは医薬品の製造方法を根本から変え、疾患の治療と予防へのアプローチを変革し続けています。モデルナは10年以上にわたって科学、技術、健康分野の研究に取り組んでおり、前例のないスピードと効率性で医薬品を開発しています。新型コロナワクチンの開発はその代表例です。
モデルナのmRNAプラットフォームは、感染症、免疫腫瘍学、希少疾患、自己免疫疾患の治療薬やワクチンの開発を可能にしています。独自の企業文化と価値観、マインドセットを共有する世界の社員が力を合わせ、人々の健康に貢献するため、そしてmRNA医薬品を通じて、人々に最大限のインパクトをもたらすべく尽力しています。モデルナの詳細については、modernatx.comをご覧ください。また、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTube、LinkedInをフォローしてください。